002 マイナンバーカードより問題なもの (7/27)
「001 自己紹介」に記載した通り、僕はマイナカード賛成派です。親DX派なのです。しかし、下記は見過ごせません。我々の生活に密着した情報、もちろん個人情報も含まれると思いますが、それが外国(中国)へ盗み出されるかもしれないなんて。
「禁止」のファーウェイ製品、実は日本の自治体の通信インフラで広く採用中
(JB Press 山田 敏弘氏 2023/7/24の記事)
ファーウェイやZTEに関しては、5Gネットワーク設備からの排除が国際的に進められています。例えば、
米FCC、華為やZTEなどの機器を完全排除する新規則採択(REUTERS 2021/6/18)
カナダ、5GからファーウェイとZTE排除へ 米英などと足並み(REUTERS 2022/5/20)
EU、ファーウェイとZTEを5Gで排除 加盟国に要請(日経 2023/6/16)
「えっ、日本でまだファーウェイが(新規に)使われるの?」と思われた方、そうなんです、著者の山田氏もそれを心配し、監督官庁たる総務省はどう考えているのか、引いては日本政府の姿勢や如何にと問うているわけです。
ただ、山田氏は明確に書いてませんが、どうもこの通信インフラ(『BWA(広帯域移動無線アクセス) 』と呼ばれています)は、5Gではなく4Gのようです。山田氏の記事に引用されている総務省の資料を見るとBWAは、
無線通信技術として、国際的な標準規格である WiMAXやAXGPを利用。
固定光回線並みの高速通信(下り最大220Mbps) が実現可能。
1つの基地局で広域をカバー可能(半径2~3Km)。
となっています。僕も詳しくはありませんが、これは4Gの仕様だと思います。例えば通信スピードもMbps、即ちメガの表現になっていますが、5Gならギガ単位ですね。また5Gの基地局は使用する電波の性質上、半径2〜3Kmなんて広い範囲をカバーできません。
じゃ、いいか。 ……そうはいきません。そういうものではありません。
このBWAは地方自治体が住民サービスに利用するインフラとなることを想定しているようですが、ということは、このネットワークに乗る情報は我々の生活に密着したものになります。上記総務省の資料ではそうなっています。
例えば、災害予防のために河川に設置したカメラから画像を市役所へ送信しているとすれば、これが中国へ送られます。すると河川の氾濫情報が、DXの遅れた日本政府より先に中国政府に知られることにもなりかねません。もし戦争中ならその地域は優先攻撃対象とされるかもしれません。平時であっても自国政府より外国政府の方が詳しく被害状況を把握しているとなれば、自国政府に対する信頼が失われますね。情報戦に利用されてしまいます。
また、防災サービスとして児童・高齢者見守りサービスも例示されてますが、個人の動画・画像が外国政府に密かに送られるなんて想像しただけで気持ち悪いです。
要するに4Gか5Gかではなく、関係ない外国政府に生活に密着した情報や個人情報が送られる可能性こそが問題なのです。国際的には5Gが排除の対象になっている印象ですが、例えば上記のREUTERSの記事では米国の「国内通信ネットワークから完全に排除する」としています。5G限定ではなさそうです。
恐らく、既に投資済みの4Gではなく今後の投資から排除しようというのが、「5Gから排除」の趣旨であり、4Gであろうが5Gであろうが秘密情報は守りたい、というのがファーウェイ・ZTE排除の目的・趣旨だろうと思います。
実は、この総務省の資料は令和3年1月(2021/1)の資料であり若干古いです。2023年の今はそんなことないだろう、と思われるかもしれません。ところが、山田氏のこの記事に引用されているもう1つの資料「Interop Tokyo 2022 スマートシティの無線通信基盤 地域BWA,マイクロウェーブ,Wi-Fi6のご紹介」はつい昨年のものです。
この「Interop Tokyo 2022」の資料は「BWA設備とサービス」を地方自治体に売込む民間業者(地域CableTV会社)作成のものですが、なんとファーウェイと連名になっています。資料の後半(P31〜)には通信設備機器の説明まであります。導入実績130カ国となってますから完全にファーウェイです、地域ケーブルTV会社の製品ではありません。
こんな資料で購入を決定する自治体があるのだろうか? と思うわけですが、この資料には導入事例紹介(P14)もあって、これを信じるなら、伊丹市・西宮市・木曽岬町・神戸市・足立区などにカメラが何百・何千と設置されているようです。
まあ、僕の顔が中国政府に知られても現実には何の問題もありません。いや、フェイク画像やフェイク動画に利用されるのは嫌です。そんなものが人民日報や環球時報へ風刺画代りに掲載されたら悲しいですね。
マイナカードにこういうリスクはありませんが、BWAには現実的なリスクがあります。
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